2022年09月22日

光免疫療法新たな展開

 開発者の小林久隆さんは、帰国し、四月一日に関西医科大学の光免疫医学研究所の所長に就任しました。
 その動きとは直接関係しませんが、昨日のニュースで、光免疫療法の新たな展開が紹介されていました。
 番組では、放送時間の都合等で詳細な説明はありませんでしたが、東京大学先端科学技術研究センターの㏋に載っている下記の研究だと思います。
https://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/news/release/20220920.html
 近赤外線での照射の光免疫療法の問題点は、身体の深部まで光線が届かない点でした。
 頭頚部がんに特化していたのもこれによります。
 今回東京大学先端科学技術研究センターが開発した治療では、近赤外線が身体の深部まで届くようになったようです。
 このHPでは、乳がんのみの実験結果が記されていますが、テレビ番組では、開発者の一人の児玉龍彦さんが大腸がんにも有効だと話しておりました。
 体の深部まで照射できるようになれば、乳がん、大腸がんのみならず、ほとんどのがんが適用対象になるはずです。

光免疫療法についての補足(19:02)
 がんは熱に弱く、42度程度でがん細胞は死滅します。
 光免疫療法は、がん細胞に結び付きやすい抗体に、光線に反応し、発熱する物質を載せて、点滴でがん細胞に結び付け、結び付いたのちに、光線を照射し、光線に反応し、発熱する物質を発熱させ、がん細胞を死滅させるという治療法です。
 免疫療法を謳っているのは、がん細胞が出来ても、がんに罹患しないうちは、免疫細胞によりがん細胞は破壊されますが、がんに罹患すると、がん細胞が免疫細胞をブロックする物質をだし、免疫細胞の攻撃から逃れます。
 ところが、がん細胞が死滅するときに、免疫細胞をブロックする物質も破壊され、免疫細胞が正常に機能するようになります。
 したがって一部のがん細胞を死滅させるだけでも、免疫細胞が正常に機能し、残りのがん細胞も死滅させることが出来ます (Abscopal effect)。
 故に免疫療法の名が付いています。

追記(21:01)
 がん細胞が熱に弱いことを利用した、光線等を使った温熱療法には、光免疫療法の他、高周波(ラジオ波)温熱療法(ハイパーサーミア、オンコサーミア)、集束超音波療法があります。

追記2(2022.09.23 10:57)
 ハイパーサーミアは大腸がんは保険適用。
 オンコサーミアは、選択的にがん細胞だけの周辺を加熱し、これが細胞内外の温度差を生じさせることでがん細胞の細胞膜を破壊し、自死(アポトーシス)を起こすことを目的とした治療法で、まだ大腸がんには保険適用になっていません。
 集束超音波療法は主にパーキンソン病の治療に用いられ、パーキンソンは保険適用。



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Posted by 柴田晴廣 at 08:46│Comments(0)雑談
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