2020年03月06日

無駄なく使う。そして、スパイス、漢方、リキュール

菜飯

 前回の投稿では、母の要望で、天津飯を作った旨を記し、そこから母の小学校・中学校の同級生の稲垣正浩さんの話に展開した。
 その母の小学校・中学校の女性の同級生の方が、いろいろと野菜を持ってきてくれる。
 大根や人参は、葉付のままでだ。
 そんな大根の葉っぱで菜飯を作った。
 葉っぱと書いたが正確には、葉っぱだけでなく、もったいないから茎も使っている。
 とはいえ、まず葉っぱと茎を分けてから調理する。
 その方が、細かく刻めるからだ。特にこれで茎が細かく刻める。
 大根から葉と茎を切り分け、葉と茎を取り分ける。
 分けた葉と茎をそれぞれできるだけ細かく刻み、それぞれ容器に入れ、塩を振り、それぞれ見合った時間で電子レンジで加熱する。
 加熱が終わったら、一つの器にして混ぜる。
 この刻んで塩を振り加熱した葉と茎を混ぜたものを焚きあがったご飯にかけ、混ぜたものが、掲載の写真だ。
 上記のように、電子レンジを使えば、手間も省ける。省ける手間はどんどん省くべきだ。
 私の祖父は、高い材料を使って、手間をかけて、旨く作れない方がおかしいといっていた。安い材料で手間を省いて、かつ旨いものを安く提供するのが、プロだとも。私もそう思う。
 テレビなどで、コシヒカリかまど炊きなどとの紹介を見ると、私は首を傾げる。土鍋炊きも同様だ。
 国内で一般に市販されている米は、電子炊飯器で炊飯しておいしく食べれるように、品種改良がなされている。
 逆もまたしかりで、電子炊飯器も国内で一般に市販されている汎用米に合わせて技術開発がなされている。
 かまど時代の米を、自家栽培ないし委託農家に栽培してもらい、その米を使っているならともかく、そうでなければかまどや土鍋で焚いて旨いわけがない。  
 もっとも蓼食う虫も好き好きとの諺もある。ただ万人受けするものではないだろう。テレビで紹介されれば、思考停止に陥り、裸の王樣になるということだ。テレビの紹介を鵜呑みにして、かまどや土鍋で炊いた汎用米がおいしいなどと口走る者は、早く特別記念物に指定した方がいいアベ晋三を笑えない。
 かくいう私も蓼食うほどではないが、コシヒカリとササニシキなら、断然ササニシキだ。というよりコシヒカリはねちゃねちゃしていて私の口には合わない。
 話が脱線したが、祖父は安い材料で手間を省いて、かつ旨いものを安く提供するのが、プロだといっていた。
 祖父は、東京で料理の修業をしたが、関東大震災を機に帰ってきて、開いた店はカフェだった。
 カフェといっても、今日のカフェとは違う。モボ・モガを対象に、カクテルなどの酒類を提供していた。女給さんを置いてはいるものの、わが国のスタンドバーのルーツの一つだ。
 そのカクテル、禁酒法時代のアメリカで大いに発展する。密造酒をおいしく提供するために技術が向上したのだ。
 禁酒法時代には、酒の密輸も行われた。主に五大湖を介してだ。アル・カポネがシカゴに本拠を置いたのもこれによる。
 かなり前になるが、洋もくのラークのテレビCМで、ドアに設けられた小窓を開け、「スピーク・ラーク」というと、ドアを開けるというものがあった。
 これは禁酒法時代の潜り酒場「スピーク・イージー」のパロディーだ。このCМが放映されていた時期は、喫煙者に風当たりが強くなり始めたころだったと記憶する。いま思えば、このCМ制作者は、潜り酒場ならぬ潜り喫煙所を想定していたのだろうか?
 父の従弟(祖母の末の妹の長男/ただし祖母の母と祖父は従姉弟であったから祖父とも血縁がある)が、正業とは別に、以前店舗を借りてバーをやっていた。バーテンダーとしての腕は高く、店においてあるスピリッツやリキュール類は安価なものだけであったが、シェークやステアされて出されるカクテルはとても安価なスピリッツやリキュールで作ったものとは思えない味だった。
 そのカクテルで使われるリキュールは、薬草などをアルコールに浸し、薬効成分を抽出したもので、教会や修道院で作られていた。
 ブランデーをベースにするリキュールのブランド・ベネディクティンは、ベネディクティクト派の修道院で作られていたものを起源とする。
 またカクテルに使われるスピリッツの代表格のジンは利尿剤であった。
 私はおつむが弱いのか(笑)、風邪を引くことがまずないが、引き始めなら、アイリッシュ・ウィスキーをベースにハーブや蜂蜜を加えたリキュールのアイリッシュ・ミストを飲めば治るし、漢方の半夏厚朴湯もよく効く。
 実をいえば、漢方もリキュールも、そのルーツはインドのアーユル・ベーダに行き着く。
 漢方薬に使われる鬱金と、カレーに使われるスパイスのターメリックは基本的に同じものであることはよく知られている。
 鬱金とターメリックだけでなく、カレーに使われるスパイスと、漢方に使われる生薬には共通したものも多い。
 私事になるが、私は川芎を煎じた液を水代わりに作るカレーが好きだ。芹系の植物が好きな私は、川芎を煎じた汁に生姜とニンニク、野菜は玉葱とセロリだけを入れたカレーが一番だ。
 辛いものが苦手な人でも、川芎の煎じ液でカレーを作れば、体がポカポカしてくる。
 医食同源なんていうのも、こういったところにある。
 いろいろと話が膨らんできたが、話を戻そう。
 最初に書いたように、うちでは母の同級生から人参も葉付のものをよく貰う。
 私は人参の葉も無駄なく使う。芹が好きな私は、人参も身より葉が好きだ。
 その人参の葉、最近では店で出すところが、まずないが、古典的な洋食・ハムライスに使う。
 極々微塵に刻んだ玉葱とハムを多めのバターで炒め、胡椒と粉末のコンソメで味を調え、冷ごはんに載せ、レンジで加熱し、大きめに切ったハムをフライパンで炒め、加熱された先ほどのご飯をフライパンに入れ、みじん切りにした人参の葉を入れれば、出来上がりだ。
 微塵に刻んだハムと大きめに刻んだハムがポイントといったところだろうか。

※それにしても、食べ物の写真を一緒にアップするだけで、閲覧が急激に増えることにびっくりしている。
 中には、写真を見て、閲覧しようと読み始めたものの、期待していた内容でなかったという者もかなりの数に上ると思うが(笑)
 今日の菜飯は、江戸時代からの吉田宿の名物だから、一応、東三河の民俗の歴史の範疇に入るだろう。



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Posted by 柴田晴廣 at 08:21│Comments(0)雑談
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