2020年11月29日

革製品の蘊蓄―高級ブランドのボッタクリ商法

 以前書いたように、基本的に私は鞄を持たない。
 もちろん、ショルダー、トート、ボストン、アルミのアタッシュケースと旅行かばんは持っているし、トートの買い物袋も愛用している。
 ただ、小物等を入れる鞄は持たないということだ。
 ちょっと出かけるときは、家の鍵等を収納したキーケースのみ。

キーケース1

 内側の六連のナス環が付いた部分の革は二重になっている。

キーケース2

 ちょうどここに自動車の運転免許証が入る。札も沢山でなければ、免許と一緒にここに入れる。
 あと小銭はズボンのポケットに。

 小銭が多いときは、小銭入れ。これも小銭を入れてポケットに入れるから、鞄は不要だ。

小銭入れ1

 背面には、カードや保険証が入る大きさのポケットが付いている。

小銭入れ2

 いずれも素材はヌメ革のナチュラル。より詳しくいえば、皮をタンニンで鞣し、染料も顔料も使っていない素の革。
 合成樹脂にL・Vのモノグラムを配したルイ・ヴィトンのバッグ等で唯一使われている革の部分が、ヌメのナチュラルだ。
 元々のヌメのナチュラルは肌色。傷防止や経年による色むらの防止を考えれば、日光に当ててから使うべき。
 その結果、写真のような色になる。
 私はその後、防水性を高めるため、柿渋を塗っている。そして時々であるが、Bees Waxを塗布する。
 和紙と竹で作られた和傘の和紙が防水性が発揮されるのは、柿渋が塗られているからである。
 ルイ・ヴィトンの愛用者の多くは、こうした知識がないのだろう。
 大体、どう見ても安価な合成樹脂の素材にL・Vのモノグラムを配したルイ・ヴィトンのバッグ等は適正価格で販売されているとはとても思えない。簡単にいえばボッタクリだ。
 原価に対して売値が異常に高いから、コピー商品が出回るのだ。ルイ・ヴィトンに限らず。コピー商品が出回っているブランド品は、適正価格でなく、ボッタクリ価格で商品を販売しているといえる。見方を変えれば、この問題も私がしばしば指摘している独占による優越的地位の濫用の弊害に繋がる話だ。
 ちなみにわが国商標法では、指定商品又は指定役務が一つの場合の設定登録料は、28,200円(商標法40条1項/商標権の存続期間は10年)、10年経過したときの更新登録料は、指定商品又は指定役務が一つの場合は38,800円(商標法40条2項/更新による商標権の存続期間も10年)、対して故意に商標権又は専用使用権を侵害した者には、10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれが併科され(商標法78条)、いわゆる間接侵害(商標法37条及び67条に掲げる行為)をした者に対して、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれが併科され(商標法78条の2)、さらに法人重課として、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、商標権の侵害行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して3億円以下の罰金、間接侵害をした場合は1億円以下の罰金が課せられる(商標法82条1項)。
 加えて置けば、商標権の侵害罪は非親告罪である(商標法81条の2第2項反対解釈)。
 これだけのリスクを犯しても、ルイ・ヴィトンのコピー商品を始め、ボッタクリ商法のブランド品の製造販売はうまみがあるということだ。ルイ・ヴィトン社の商法これをボッタクリといわずに何をボッタクリといおうか。
 私も愛用しているタイメックスの時計は適正価格で販売されているから、コピー商品が出ているのを聞いたこともなければ見たこともない。
 そう考えれば、ルイ・ヴィトンの信奉者などは、成金趣味の極み、原価計算も出来なければ、審美眼もないということだ。
 安価な材料で作られた出来合いのルイ・ヴィトンのバッグや財布を持つなら、フランスのタンナ―(皮の鞣し業者)Du Puy社の革でビスポークする方がよっぽど賢いし、品もいい。

 話が脱線したが、札が多いときは、マネークリップを使う。これもズボンのポケットにコンパクトに収まる。

マネークリップ

 どうしても、それ以上の荷物があるときは、マネークリップと一緒に写っているスイスの軍用ポーチを仕方なく使う。
 縦約100ミリ、横約200ミリ、幅約30ミリ。厚めの長財布といったところか。
 これに携帯電話(かさばるスマホではない)、デジカメ、そして小銭入れとマネークリップを入れる。
 ちなみに軍用の革製品は、ボックスカーフ等ではなく、タンニン鞣しのナチュラルのもの。
 黄金狂時代でチャップリンが靴を茹でて食べたように、最終的には食料となることから、身体に害があるクロムで鞣したものは使わないのだ。
 ちなみに戦時中の物資不足の折、軍はするめを鞣して軍用の革製品を作ろうとしていたが、保管中に鼠に齧られ、ボツになったという。

追記(11.29 16:32)
 移動手段が公共交通機関で出かけるときは、クラフトテープのホルダーと革の携げ紐が付いた水筒を持参する。

ホルダー付きの水筒

 もちろん水筒の中身はアルコールだ。
 革の提げ紐付きのクラフトテープ製の水筒ホルダーは、現在は廃業してしまったが、近所の帽子屋さんの娘さん(私より確か七学年下)にビスポークした。
 もちろんクラフトテープ部分は、防水のため、柿渋が塗ってある。
 
 



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Posted by 柴田晴廣 at 16:03│Comments(0)雑談
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