2022年01月28日

隱れ太鼓

 隱れ太鼓の説明に手間取っている。
 言い訳のようになるが、前回の投稿「穂国幻史考(増補新版)の手引き」で述べたように、隱れ太鼓について先行する研究はない。
 必要最小限の説明がどの程度なのかの匙加減に苦労しているのである。
 また隱れ太鼓を説明するには、神事藝能である「隱れ太鼓」と、それを演じる舞臺となる大山車(車樂)をパラレルに説明する必要もある。
 繰り返しになるが、「隱れ太鼓」について先行する研究はない。それだけではなく、山車や屋臺について言及したものは数多あるが、山車、屋臺についてきっちりと定義したものはないのである。
 さらにいえば、山車、屋臺の祭のルーツといえ、日本を代表する京都祇園祭の山、鉾という呼稱が、地元の慣例を優先した実態に即したものでないことも、山車、屋臺の定義の確定の妨げになっている。
 地域史というものは、その地域のみが独立したものではなく、当然近隣の地域と影響しあっているし、その地域史の束が日本史となり、日本史を始め、東アジアの国々の歴史の束が東アジア史となる。
 東三河の山車や屋臺が、西三河や尾張、遠州からどう影響を受け、西三河や尾張、遠州にどう影響を輿えたかといった説明も必要になる。
 さらに「若葉祭」の「隱れ太鼓」は人形振りの特殊なものであるが、この人形振りの「隱れ太鼓」のみならず、豊川や小坂井、かつて城内天王の祇園祭で行われていた「隱れ太鼓」の誕生や成立する経緯についても説明する必要がある。
 こうした書くこと満載の「隱れ太鼓」の内容の説明をどうやって必要最小限にとどめるか。これに苦労しているのである。
 なんだか、「「隱れ太鼓」の内容の説明」のそのまた「内容の説明」のような投稿となったが、「「隱れ太鼓」の内容の説明」の理解の一助になれば幸甚である。

 加えて置けば、いままで投稿して来た「『牛窪考(増補改訂版)』の内容の説明」及びこれから投稿するた「『牛窪考(増補改訂版)』の内容の説明」を読むに当たって、二年ほど前に投稿したた「『牛窪考(増補版)』をなぜ改訂しようと思ったか」(https://tokosabu.dosugoi.net/e1126383.html)に目を通しておくのも理解の一助になるだろう。



同じカテゴリー(穂国幻史考)の記事画像
刊行した『穂国幻史考(増補新版)』
海人族の古代史――非常民の民俗学への懸け橋
ちゃんこ鍋と……その薀蓄(笑)
蜂龍盃とねぎま汁で一盃
このクニの専門家という人種 付けたり「ホンブルグ」のことなど
同じカテゴリー(穂国幻史考)の記事
 スポーツ史学会 (2023-07-11 12:35)
 神事藝能と古典藝能 (2023-06-13 08:34)
 日本語について (2023-06-07 16:57)
 持統 (2023-05-17 04:59)
 祭禮ないし祭禮組織の變容 (2023-05-16 14:15)
 親鸞、日蓮、空海と明星のスタンス (2023-04-26 16:31)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。