東三河平野部の民俗と歴史

　12月に生まれて初めて日光に行ってきました。
　私より少し下の年代からは中学の修学旅行は東京日光でしたが、私の時には東京箱根でした。

　日光東照宮の陽明門の中心に北極星が位置し、「北辰北斗信仰」に基づくものであるともいわれますが、多くの神社仏閣は南向きです。ただ正確に測量して建立したわけではないため、真南を向いていないだけです。陽明門の中心に北極星が位置するから「北辰北斗信仰」に基づくものといえば、南向きの神社仏閣は、すべて「北辰北斗信仰」に基づくものということになります。
　また久能山はの西には鳳来寺、大樹寺、さらには京都があるといわれ、朝廷の抑えともいわれますが、德川幕府は、宗教的呪縛により朝廷及び公家を統制したのではなく、家康の生前に「禁中竝公家諸法度」は制定されていますし、江戸へ敕使を下向させ、また日光には、例幣使を下向させるという目に見える形で、朝廷及び公家を抑えています。
　こうした久能山ないし日光東照宮の位置に意味があるとする言説は、後付の根拠が薄いものといえます。
　久能山や日光に東照大権現を祀ったのは全く別の理由であると私は考えており、その確認を兼ねて日光に行ってきました。

　天海は、母系制を温存しつつ、虚構の万世一系をでっち上げ、権力を握り、それを永遠のものとするため、天皇に棄姓をさせた不比等に匹敵するある種の天才だと改めて確認できました。
　『牛窪考増補改訂版』に書き足そうと思っております。
　軽く10P以上は増えるでしょう。