2020年02月12日

鬼祭

 昨日は、鬼祭のお頭様(獅子頭)のお渡りを見に行きました。
 安久美神戸神明社に着いたときには、露天商が片づけを始めていました。
 想像するに、「からかひ」は足の踏み場もないほど賑やかだったでしょう。
 実をいえば、獅子頭のお渡りというのは、豊橋の鬼祭に特有のものではなく、東三河平野部の祭礼ではよく見られるものです。
 獅子頭のお渡りがある際例を挙げて置けば、吉田の祇園、若葉祭、風祭、三谷祭、伊奈若宮八幡社の祭礼、豊川天王社の祭礼、篠束神社の祭礼で行われています。また現在は行われていませんが、『三河國吉田名蹤綜録』の繪圖には、新錢町の白山権現の祭礼で獅子頭のお渡りの様子が描かれています。
 加えて置けば、男児のミコ舞も、豊橋の鬼祭だけではなく、若葉祭、三谷祭、雨乞い祭、御油祭、二川八幡社の祭礼、上長山若宮八幡社祭礼等でも男児がミコ舞を奉納します。
 なぜ「からかひ」ではなく、お頭様のお渡りを見に行ったかといえば、前の記事で、『牛窪考(増補改訂版)』の目次を載せていますが、拾遺五「検証 東三河の徐福伝説」の二つ目の見出し「菟足神社の徐福伝説説明板を検証する」の最後の小見出し「生贄神事は中国的か――奥三河の鹿射神事及び諏訪の御頭祭と菟足神社の生贄神事」で、上記の東三河の獅子頭のお渡りについて言及してあり、確認したいことがあったからです。
 夕方の五時ごろ、神明社を出発し、談合神社に向かい、談合神社での修祓などを見てきました。
 いろいろと収穫がありました。
談合神社朱印



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Posted by 柴田晴廣 at 20:52│Comments(0)牛窪考(増補版)
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