2020年02月14日

お頭様のお渡り

 先に、鬼祭のお頭様のお渡りを見学に行き、収穫があった旨を書きました。
 見に行った理由は、『牛窪考(増補改訂版)』の拾遺五「検証 東三河の徐福伝説」の二つ目の見出し「菟足神社の徐福伝説説明板を検証する」の最後の小見出し「生贄神事は中国的か――奥三河の鹿射神事及び諏訪の御頭祭と菟足神社の生贄神事」で、このお頭様のお渡りを始め、東三河の祭礼の神幸に随伴する獅子頭について言及してあるからです。
 収穫があったことから、書き足しました。書き足した結果、拾遺五「検証 東三河の徐福伝説」の二つ目の見出し「菟足神社の徐福伝説説明板を検証する」の最後の小見出し「生贄神事は中国的か――奥三河の鹿射神事及び諏訪の御頭祭と菟足神社の生贄神事」以降のページ数が、以下のように変わりました。

    山本紀綱に小坂井の徐福伝説を紹介した近藤信彦と渥美郡の幡多鄕(2337)
     橋本山龍運寺と船町文庫――大口喜六、近藤信彦は、幡太鄕比定地の住人(2346) 羽田八幡宮と幡太鄕――近藤信彦と羽田野敬雄(2355) 蓬萊島と築嶋弁天社――山田宗偏により秦御厨に造園された蓬萊島(2372) 御衣祭と上佐脇の八社八苗字――『大神宮諸雜事記』と日下部姓波多野氏(2378)
  (補遺)非農耕民はなぜ秦氏の裔を称するのか 2464
    非農耕民と秦氏――東三河を中心に(2466)
     彈左衞門家と渥美郡出身の車善七――側近を三河出身者で固めた家康(2478) 彈左衞門と伊奈本多家――臨川山本龍寺の開基を巡って(2484) 牧野氏と鶴姫伝説――信長の世に廃寺となった豐川村東光寺(2493) 車善七の敗訴と大岡忠相――豐川村矢作と彈左衞門(2528) 牛頭天王の本地と播磨、そして秦氏――祇園感神院及『野馬臺詩』が記す日本の國姓(2545)
    ひょうすべと秦氏――農本主義と非定住者(2677)
     ひょうすべと椀貸伝説――三河大伴を例にして(2685) ひょうすべと三島神――三島神が降臨した攝津三島江と上宮天満宮(2695) 三島神と鳶澤甚内――火明命を中心とした海人の世界(2740)
  附録一 相撲雑話 2800
    序 『穂国幻史考』における野見宿禰論 2800
    第一章 節會時代の相撲 2850
    第二章 神事から見た相撲 2863
    第三章 吉田追風家と弓術吉田流 2891
    終章 私と相撲、そして弓 3005
  附録二 吉田城沿革と、三州吉田の怪猫騒動 2924
    はじめに 2924
    吉田城沿革 2931
    三州吉田の怪猫騒動 2944
    結びにかえて 2964
  附録三 県道三一号線物語――古代から現代まで 2968
    鎌倉街道と県道三一号東三河環状線 2968
    東三河平野部の古代の地名と交通路 2990
    律令時代における東三河平野部の官道と鎌倉街道 3018
あとがき 3052
主要参考文献 3132

 『牛窪考(増補改訂版)』の拾遺五「検証 東三河の徐福伝説」の二つ目の見出し「菟足神社の徐福伝説説明板を検証する」の最後の小見出し「生贄神事は中国的か――奥三河の鹿射神事及び諏訪の御頭祭と菟足神社の生贄神事」で、東三河の祭礼の神幸に随伴する獅子頭の言及の概要について記せば、鬼祭のお頭様のお渡りについては、幕府右筆の屋代弘賢(1758~1841)が、その土地の冠婚葬祭等の様子を尋ねるため、各地の知人宛に作成した『風俗問状』に、吉田藩士の中山美石(1775~1843)が答えた『風俗問状答』で触れられており、民俗学者の中山太郎(1876~1947)は、『獅子舞雜考』で、中山美石の言説を引用して説を展開しています。
 獅子舞は、中国の舞獅(lion dance)を起源とするとされますが、舞獅が伝来する以前から、鹿踊りがあったといわれます。
 拾遺五「検証 東三河の徐福伝説」は、四半世紀余り前に突如現れたいわば都市伝説の成立過程を検証したものです。
 その都市伝説の根拠とされるのが、『今昔物語』にも記される風祭の猪の供犠は、鹿射神事等の流れに属するものであり、その名残が神幸に随伴する獅子頭であるとの検証をしてあります。

 なお前回アップした写真は、お頭様がお渡りする談合神社の朱印です。



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Posted by 柴田晴廣 at 21:46│Comments(0)牛窪考(増補版)
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